となり
『痛い、別に自分だけ悩んでました的な顔なんてしてないもん。み…瑞木…君が…い…けない…んだから』と
腕を払うと私はその場に
うずくまり声を切らし泣いた

私はこの旅行中に
何度涙を流したのだろう
沢山涙を流しても
まだ涙は溢れてしまう
どのくらい人は泣いたら
涙はでなくなるのだろう
私の涙はいつ渇れるのだろう―

『何だよ。本当にわけわかんね。もう分かった。勝手にしてくれ』と
彼は私に背を向け歩きだした

私は彼の後ろ姿を見ながら
どうしてこんなことになったの
本当に彼は私のことなんて
嫌いになっちゃったんだ…
私は彼のことがこんなに
好きなのに…と思った瞬間
自然に足が動いていた

『ま…待って』と
私は涙声で言葉が出なかった
彼は気付かずに歩いている
私は走りだすと彼の背中に
しがみつき腕が震えた

『一人にしないで』と
私は彼をしっかり掴み
彼は何も言わずに
立ち止まっている
『…どうして気付いてくれないの?私はずっとずっと瑞木君が…好きなんだよ』と
小さく呟くと彼は少し間をあけ
私の手を剥がし振り返り
私の肩をガシッと掴んだ

『今、今何て言った?』と
少し驚きながら
そして焦りながら聞き返した
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