となり
そして横にいる彼の
視線に気づくと私は
彼の方をチラッと見ると
彼と一瞬目が合って
そして彼は口を開いた

『もえのノート写してるのか?』と
彼は問いかけながら
梨沙子のノートを覗き込む
私は『私のだけど』と
答えると彼はクスッと笑い
『答え合ってんのか?』と
嫌味を言いながら笑った

私は『ひどい~』と
彼を叩きながら
いつもと変わらない
彼の態度が嬉しかったそして自分もいつも通りに
彼と話が出来ているのに
ホッとしていた

『おはよう』と
信吾が慌てて席に着くと
チャイムが鳴り始めた
『お~セーフ』と
信吾は息を少し切らし
机に鞄を置くと梨沙子は
おもぐろに信吾にノートを渡す

『これ写してね』と
軽く笑うと信吾は呆れ気味に
『お前、宿題やってね~のかよ。休み入ったらやれよな』と
文句を言いながらも
手渡されたノートを開き
宿題を写し始めた

『もう、信吾もうるさい。早く写して』と
梨沙子は再び信吾に笑いかけ
宿題を写し始める

そして私は二人の距離が
なぜか前よりも
近いような気がし
私は旅行中に信吾が告白をする
と言っていたことを
思い出し信吾の顔を見つめた
< 121 / 411 >

この作品をシェア

pagetop