となり
梨沙子は私の話を聞き
そしてニヤニヤしながら
意味深に笑っていた

午後の授業が始まる
私は食事後で今にも目が
閉じそうになるのを
必死で堪えていた

カサッと授業中に
梨沙子が素早く振り向き
私に紙を渡し私は中を開くと
そこには―

――もえへ
さっきの話で、言い忘れてたんだけど、今年の冬は、信吾と二人で一泊の外泊をする予定を立ててるんだけど、その日うちの家族のアリバイにもえの所に泊まりに行くことにしてくれる?だけど、24日クリスマスは、4人で過ごそうよ!もえも瑞木と頑張って、キスくらいはしろよっ―
と書かれていた
私はグハッと小さく咳込むと
前の席の梨沙子は
クスッと笑っていた

やっぱり梨沙子はすごい…
ただでさえ彼に告白したのも
やっとの想いだったのに
付き合い彼氏彼女の関係に
なっても毎日ドキドキしてて
二人きりになったら
どうしていいか
わからなくなるくらいに
頭は真っ白になってる
唯一彼と上手く話せるのは
メールのやり取りくらいだった
それは彼の顔を見ないで済み
その分素直にもなれた

私も梨沙子みたいに
ちゃんとした彼女になりたいと
少し不安を抱えながら隣にいる
彼の姿をチラッと見た
彼は眠そうにアクビをしていた
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