となり
そして授業が終わり
帰り支度をすませると
生徒が帰宅し始める

私は机の中の教科書を鞄に入れ
席を立ち上がろうとした時
『もえ、今日私、部活休みで、これから信吾と買い物行くんだけど、一緒に行かない?』と
声をかけてきた

いつも私は彼が部活で
登下校が一緒にできずに
一人で帰ろうとすると
信吾がよく一緒に帰えろうと
声をかけてくれていた

信吾も梨沙子が彼と同じく
運動系の部活なため
なかなか信吾自身も梨沙子と
帰宅できなかったからだった

私は信吾の顔を
少しチラッと見て
『うん、ありがとう。でも今日は一人で帰るよ』と
久しぶりに梨沙子と帰れ
嬉しそうな信吾の顔を見たら
二人きりになれるときくらい
二人にさせてあげたいと思った
私は二人に手を振りながら
教室を急ぎ足で出ていく

玄関を出ると少し冷たい風が
顔にあたり気持ちが良かった
そして一人で帰る道なのに
何故か私は心がすっきりした
嬉しい気持ちだった
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