となり
そして気がつくと
衣替えが始まると同時に
季節は秋から冬へと
変わろうとしていた

気付けば彼と付き合って
一ヶ月が過ぎようとしている

この時期から段々と
進路の話が多くなり始め
テストや適正検査などが増え
まわりはいよいよ受験を
意識しだしピリピリもしていた

『もえ、高校どこ行くか決めた?』と
梨沙子は進路希望書の
紙を見ながら問いかけた

『ん~全然。やっぱり無難に家から通える、桜ヶ丘にしようかなって思ってるんだけど』と
私は偏差値もさほど高くなく
普通に家から通える
近くの高校を選ぶつもりでいた

将来のことなんて
全然何も考えてなくて
高校何てどこも一緒だし
卒業すれば何でもいいと
この時の私はその程度にしか
考えていなかった

『梨沙子はどこ志望?』と
今度は私が梨沙子に
問いかけると梨沙子も
私と同じく桜ヶ丘と答えた

『やっぱり無難に、桜ヶ丘だよな』と
横から信吾も同じく言うと
『信吾も桜ヶ丘?』と
私は信吾の言葉に反応すると
『近いしな。それに女子の制服可愛いし』と
信吾は笑いながら言うと
『信吾オヤジくさい。みんな桜ヶ丘だとまた楽しくなるね』と
梨沙子は言うと私は隣にいる
彼の進路希望書を覗いた
< 131 / 411 >

この作品をシェア

pagetop