となり
第12章 ~ぬくもり~
彼とはあの日以来
気まずいままだった
それはまるで知己の時と
同じだったかの様だった
そしてそのまま冬休みに入り
彼の言った言葉を
あの日からずっと考えていた

恋をして沢山の涙を流して
そして私はようやく幸せを
掴んだと思っていた
全て幻だったのだろうか
どんなに涙を流し彼を避けても
彼に会いたいと思ってしまう位
自分は彼が好きだと気づく

梨沙子や信吾と約束した
クリスマスも気が付くと
あと2日に迫っていた―

私はこのままの気持ちで
彼に会えるのだろうか
とてつもなく不安を感じていた

プルプルプルプルと
携帯音が鳴り私は枕の下から
携帯を取り出した

―着信 信吾
『もしもし』と電話に出る

『もしもし、もえ?信吾だけど、今から出られる?』と
信吾のいきなりの誘いに
私は少し戸惑ていた

『何かあった?』と
私の問いかけに信吾は『梨沙子にクリスマスプレゼント買うのに、女の趣味がわかんないから、もえ一緒に買い物行かないかなって思ってさ』と
信吾は焦り気味に言った

信吾の言葉で私も彼に
クリスマスプレゼントを
用意していないことに気付いた

だけど気まずいまま
休みに入ってしまい
彼とクリスマスを
過ごせる保証はなかった
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