となり
『あっ、私~二組だ』と
知己が自分の名前を
見つけ私の肩を叩いた
私はまだ自分の名前を
見つけていない…
周りも自分の名前を見つけ
次々と下駄箱に靴を置き
教室に移動している

私は焦りながら
『あっ…あった』と
二度 三度確認しながら
知己とクラスが違うことに
不安な気持ちが沸き上がった

『じゃあ、また後でね』と
知己は自分の教室に入る
知己は二組…
私は少し離れた五組だった

自分の教室の前に立ち
恐る恐る後ろの扉を
少し静かに開けると
中はワイワイと
賑やかな声で溢れていた
黒板で自分の席を確認すると
窓際の一番後ろだった
自分の席に向かうと
前の席には窓にもたれて
元気に周りの子達と
ワイワイ話をしている
女の子の姿があった

ゆっくりと席に座ると
彼女は私に気付き
『おはよう~』と
声をかけてくれた
私は少し驚き
『あっ、おはよう』と
挨拶を仕返した
そして彼女は
『私、木村梨沙子よろしくね』と
私に手を伸ばす
私は梨沙子の手を握り
『よろしくね』と
オドオドしながら言った
彼女は少し制服を
崩して着ていて
男の子っぽい感じの
ボイッシュな
カッコイイ女の子だった
そして私は周りを見渡した
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