となり
そして信吾も目の前に置かれた
水を一口飲み再び口を開いた

『陸上は、空太に取って昔からの夢で、陸上の有名な久保高を、受験するのは空太自身、すごい嬉しいことで、力を試す機会でもあるんだ。だけどそれと同じ様に、空太はもえも大切な存在で、通うのは遠くて不便だけど、もえといられるなら、今住んでる所でも関係ないって言ってたんだ。だけど、高校に通うとなると、金銭面なことは一人じゃカバー出来ないのが現実。父親に頼るしかないって、最後まで悩んだ末、一緒に暮らすことが最善って思ったんだ。転校先の中学からだと、久保高校の推薦も取りやすいみたいで、空太に取っても悪い話じゃない。だけど最後まで、もえのこと考えてた。きっと今、もえが行かないでって言ったら空太はきっとこのまま残るよ。だけど、空太の夢を応援して見送るのか、行かないでって言うのかは、もえが決めることだけど、やっぱり俺達みんなで、応援してやりて~って思うんだ。もえも俺達と一緒に笑って見送って欲しいのが俺の本音なんだ。空太行っても、梨沙子も俺だってもえのそばにいるのは、変わらないんだしな』と
少し照れながら
真面目に信吾は話してくれた
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