となり

私は信吾の言葉が胸に刺さった
信吾の言う通り
きっと今私が彼に
¨行かないで¨と告げたら
間違いなく彼は私のそばに
いるのだろう…
でもそれは即ち彼から
夢を奪うことになるのは
信吾に言われなくても
分かっていたことなんだ
だけど…それでも私は
彼と離れたくないと思っていた

私達はパスタを食べながら
プレゼントの話をする
だけど私の頭の中は
彼のことが頭の中で
グルグル回って離れなかった

お店を出て少し歩くと
『もえは、空太のプレゼント何にしたんだ？』と
信吾が尋ね私は困った顔をし
『色々気まずくてクリスマス一緒にいられるか、わかんなかったし、実は用意してないんだ。でも、私あげたい物があるんだ』と
私は信吾に笑って見せた

『おっ、何だ？俺は梨沙子に財布をあげようと思ってるんだ。この前買い物に行った時、財布を見て梨沙子が可愛いって気にいってたやつにしようと思ってんだよな』と
信吾は思い出し笑いをしながら
幸せそうに笑っていた

そして私達は駅ビルに入ると
お互いにプレゼントを買い終え
バス停に向かった