となり
家を出てきた時は
まだ明るかった外は
もう夕暮れになって
バス停に着くと
体が震える位に寒く
そして風もますます
冷たさが増していた

『今日は、ありがとうな。会えて良かったよ。クリスマスはよろしくな。梨沙子と待ち合わせしてるんだろ?空太の方は、俺が一緒に行く予定だから心配すんな。さっき話だけど、もえよく考えるんだぞ。空太の気持ちもわかってやれよ。離れる辛さはお互い一緒だってこと』と
信吾の言葉に私は軽く頷き
そしてバスに乗り込み
信吾は私に手を振りながら
バスが発車するまで
見送ってくれていた

バスが発車し私は信吾の言葉と
彼の気持ちを考えていた
離れてしまうことは
お互い辛いこと―
離れてしまった後のことを
考えてみよう
今私が彼に出来ること…
そして彼の重荷になりたくない
それが一番の私の気持ちだった
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