となり
そして信吾と梨沙子の
様子が変わり始め
二人が軽くお酒を飲んで
いるのに気付くと二人は既に
軽くハイになっていた

私はリビングから
風に当たろうと外に出ると
来た時はまだ明るかった外は
もう陽が落ち今はもう暗く
そして風はかなり
寒く冷え込んでいた

私は窓の扉を締め
窓に背を向け空を見上げた
星が綺麗に光っている
それはとても綺麗だった

ガラガラッと窓が開き
私は振り返ると彼の姿があった

『二人、酔い潰れて寝ちゃったよ。俺ら、どうする?』と
彼は私の隣に腰を下ろし
そして空を見上げる

『今日は泊まるって家を出てきたけど、帰ろうかな』と
私は呟くと彼も頷き
『じゃあ行くか』と
立ち上がり私に手を差し出した
私は彼の手を握り立ち上がる

梨沙子達を起こさない様に
梨沙子宛にメモを残して
テーブルの上を少し片し
彼と一緒に梨沙子の家を出た

『そんな薄着だと、風邪引くぞ』と
彼は自分の上着を
私に着させるとそっと
手を握り歩き出した
彼の手は温かく
私はまた涙が出そうになる…

『もえ、渡したいものがあるんだ。俺の家寄れる?』と
彼は私の顔を見ると
私は軽く頷き歩く
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