となり
まだ隣の席は空席だった…

ガラッと扉が開き
それまで賑やかだった
教室の声が一気に消えた

『はい、おはようございます。今日から担任になります』と
黒板に綺麗に
自分の名前を書き始めた
『はい、千葉百合と言います』と
黒板を少し叩き笑いかける
細い体に肩まである
ウェーブかかった
茶色の髪がとても綺麗で
私にはとても大人に見え
理想の先生だった

クラスの名簿を開き
名前を読みあげる
席は出席番号順に
並んでいたため
名前と顔が一致する
『はいっ、えっと…瑞木君はまだ来てないみたいね』と
私の隣の空白の席を
皆が確認している

そし茶色の髪がとても綺麗で
私にはとても大人に見え
理想の先生だった

クラスの名簿を開き
名前を読みあげる
席は出席番号順に
並んでいたため
名前と顔が一致する
『はいっ、えっと…瑞木君はまだ来てないみたいね』と
私の隣の空白の席を
皆が確認している

そして入学式の説明を
先生が話し始めると
私は机の上にあった
ピンクの花が付いた"新入生…おめでとう"と
書かれたピンを胸元に付けた

廊下がガヤガヤし始めた
体育館に移動している
始めは一組から
私のクラスは最後の五組
まだ少し時間がある
『入学式に遅刻ってありえなくない?』と
私の前の席に座っていた
梨沙子が笑いながら言う
『不良だったりしてね』と
クスっと笑い面白そうに
梨沙子は話ていた
私は空白の席を見ながら
どんな人なのか想像をしていた
そこに座る人がまさか
自分の運命を変える人になるとは
想像もしなかった
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