となり
そして午後からの体育の授業は
大袈裟な梨沙子の気使いで
私は見学をすることになった

最近体がだるい―
気分が時々悪くなったり
食事も食べたら吐いたり
少し熱っぼくなったりと
体に異変が起きていたことには
気づいてはいたが
たいして深く考えはしなかった

『もえ、部活休めば?』と
放課後になっても
梨沙子は私を心配しながら
早く帰ることを進めていた

『大丈夫。梨沙子と違って運動部じゃないんだし、心配ないよ』と
私は梨沙子に手を振りながら
教室を出ると部室に向かった

部室に入り各自持ち場に着き
チューニングをし
楽譜に目を向ける

この時期の吹奏楽部は
卒業式と入学式の演奏の
練習で忙しかった―

一年を通して活動は
少ないほうだが
学校行事に関わることは
何かと多く練習も遅くまでやる

『はい、始めます』と
顧問の先生が前に立つと
一斉に楽譜に目をやり
指揮棒を構えると演奏が始まる

¨仰げば尊し¨
そしてもう一曲
¨ほたるのひかり¨
卒業式の定番だ

私はホルンから
またクラリネットに戻り
パートも増えていた
だけどとても遣り甲斐があった
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