となり
演奏を始めてどのくらいの
時間が経ったのかさえわからず
部室から見える
外はいつしか暗くなっていた

『はい、今日はここまで』と
先生が声をかけると回りは
楽器を片し帰り支度をする

『お疲れ様でした』と
一斉に挨拶をし教室を
次々と部員は出ていく

私も楽器を片しそして先生に
『お疲れ様でした』と
声をかけ部室をでた

外に出ると風が冷たく肌寒く
体が少し震えた

自転車に股がると
プルプルプルプルと
携帯が鳴り私は鞄の中を
ガサガサとさせながら
携帯を取り出した

『はい、もしもし』

『もしもし、もえ?大丈夫なのか?』と
私はいきなりの
受話器越しの言葉に驚いた

『瑞木君?』と私は声を聞き
彼だと気づくき問いかけた
『今日何か、倒れたって?』と
彼は心配しているのか
受話器越しの声が
いつもと違い焦っていた

『倒れたって…梨沙子でしょ~。梨沙子大袈裟で、倒れたじゃなくて、少し立ちくらみしただけ』と
私は笑いながら言うと
『ならいいけど』と
彼は安心しているようだった

最近お互い部活が
忙しかったせいか
メールが多く久しぶりの電話に
私は少し嬉しかった
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