となり
『大丈夫かぃ?』と
後ろから同じバスを降りた
おばあちゃんが
声をかけ私は振り返った

『あっ、はい。すいません。大丈夫です』と
私はベンチに座りながら
少し息を切らし答えた

貧血で倒れたり
立ちくらみをしたり
具合が悪くなることが
段々と多くなり始め
深く考えないようにしていたが
酷くなる症状に私は少しづつ
不安な気持ちになっていた

自分の中では疲れからと
言い聞かせるように
母親にも梨沙子にも
誰にも相談してはいなかった

この時の私には
彼と会うことでいっぱいで
自分の心配事は二の次だった

『顔色は大丈夫そうね。気分悪かったら、お医者さんに行かないとだめだよ』と
おばあちゃんは鞄から水が
入ったペットボトルを手渡した

『ありがとうございます』と
私は受け取るとおばあちゃんは
笑い軽く会釈をして歩きだした

私は貰った水に口をつけ
息を大きく吸うと
ゆっくり立ち上がり歩き出した

そして私は駅ビルの中に入ると
店内をキョロキョロしながら
色々な物を見て歩く

そしてスポーツ店前で
足を止め立ち止まると
『いらっしゃいませ』と
女性店員が声をかけた
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