となり
そして私達はあてもなく
駅前をブラブラ歩きながら
梨沙子は急に足を止めて
ひとつのお店を指差した
そのお店は信吾と以前
クリスマスプレゼントを
買いに行った時に寄った
パスタのお店だった

『もえ、ここのパスタ美味いんだよ』と
梨沙子の言葉に
私はクスッと笑うと
梨沙子は不思議そうに
『何その笑い?』と
私の顔を覗き込んだ

店内に入り席に案内されると
メニューを見つめながら
梨沙子は再び私の顔を
不思議そうに見ている
私は梨沙子の視線に
再びクスッと笑いながら

『実は、前に信吾とこの店に来たことあるんだ。信吾も梨沙子と同じこと言ってたから、思い出しちゃってさ』と
私は梨沙子から視線をずらし
メニューに目を向けた

『えっ?信吾と来たの?何だよ~。早く言ってよ。初めてかと思ってたからさ。じゃあ違う所がよかったね?』と
梨沙子は用意された
水に口をつけてる
『いいよ。本当にここのパスタ美味しかったから』と
私の言葉に梨沙子は少し
口を尖らせ呼びボタンを押す

『今日は、なんだか混んでるね』と
梨沙子は携帯を手にし
メールを打ち始めた
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