となり
私と梨沙子は映画を見終え
感動が一気に押し寄せた

『何か思ってたより感動しちゃったね。何かちらほら、感動して涙出ちゃったよ』と
梨沙子は鼻をすすりながら
目をウルウルさせていた

『うん、よかったね』と
私も鼻をすすりながら
感動を噛み締めていた
そして私達は売店で
映画のパンフレットを買うと
駅前に戻りながら
映画の話をひたすらしていた
そして少しブラブラし
バス停に着くとお互いの
家の方向のバスに乗り別れた

『ただいま』と
私は家に帰ると
リビングから母親が
『お帰り。瑞木君の家の人から連絡あったわよ。最近具合悪そうなのに、大丈夫なの?』と
少し心配している

『うん、大丈夫。今日だって梨沙子と映画見てきたんだし』と
私は洗面所に向かい
手を洗いながら答えた

彼と付き合うようになり
彼は礼儀だからと言い
私の家に付き合うことを
わざわざ両親に挨拶しに
家に来てくれたことで
今時にしてはよく出来ている
…と私の両親は彼のことを
認めてくれていた
そのせいもあってか
今回泊まりがけで行くのも
すんなりと承諾してもらえた

私は夜ご飯を食べ
そして明日の準備を
軽く済ませると
今日も早めに休んだ
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