となり
彼の誕生日―
いよいよ前日―

目覚ましの音が部屋に響き
私は目を嫌々ながら開けた
いつも何かいいことがある
前日は必ず目覚ましよりも
早くに目が覚めるのに
今日は目覚ましの音で目覚め
目覚めもよくなかった

ベッドから起き上がろうと
布団を出るといつも以上に
激しい立ちくらみで私は
勢いよくその場に倒れる

目覚ましの音がなかなか
止まないせいか
母親が部屋に入ってきた

私はベッドの下で
倒れていたせいか
『もえ?大丈夫?』と
母親はびっくりしながら
私に近づき抱きかかえた

『大丈夫。立ちくらみしただけ。急に立ち上がったから』と
私はゆっくり立ち上がり
笑顔を見せカーテンを開く

『やっぱり今日は止めといたら?体調悪そうだし、病院行ってみよう』と
母親は心配そうに
私の背中を擦り顔を覗き込む

『大丈夫だもん。熱もないし、疲れてるだけだもん。今日は絶対行くから。病院なんて大袈裟なんだよ』と
私は部屋を出て
勢いよく階段を下り
リビングに向かった
母親は少し小さくため息を
しながら私のベッドの
布団を直し部屋から出た
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