となり
そして私は支度を済ませ
再びリビングに行くと
掃除機をかけていた

『お母さん、じゃあ私行くよ』と
母親に声をかけると
『もう行くの?じゃあ駅前まで送るわよ。ちょっと待ってて』と
母親はエプロンを外し
部屋に行くと上着を羽織った

車に乗り込むと
『忘れ物ないの?荷物何か多くない?具合は平気?大丈夫?』と
母親は何度も
同じことを繰り返し聞く

私は『大丈夫』と
何度も答えながら
母親に心配させないように
笑顔を見せ続けていた

『具合悪くなったらすぐ連絡してね。あと、帰ったら病院に行こう。学校始まったら行けなくなるんだから』と
母親の言葉に私は軽く頷き
『わかったから。何かあったら連絡するから。また明日駅着いたら連絡するから、迎えに来て』と
私の言葉に母親は頷くと
駅前で車を止めた

『気をつけるのよ』と
母親はまた心配そうに言うと
私は軽く頷き笑顔を見せる
荷物を抱えて車から降りると
手を振り歩き出した
母親は私の姿が
見えなくなるまでずっと
車の中から見ていた
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