となり
『お邪魔します』と
私は中に入ると
真悠さんはスリッパを置いた
『はい、どうぞ』と
リビングに入ると
あの日と変わらない空間

そこには彼の母親と
真悠さんの写真が相変わらず
沢山飾れていた

私は写真に近づき写真を
覗くとあの時にはなかった
彼と父親が写っている
写真が何枚か増えていた

『写真増えたでしょ』と
キッチンからお茶を
運びながら真悠は声をかけた

『はい。彼の写真が沢山ある』と
私は写真を指差した
『うん、碧が亡くなって、空ちゃんにはずっと一緒に暮らそうって言ってたんだけど。空ちゃん、ずっと拒んでて、一緒に暮らすなんて出来ないと思ってたから。空ちゃんが来てくれて、本当に嬉しく思ってるんだ。空ちゃんの母親には、なれないけど碧の分までちゃんと成長を見守っていく保護者にはなれるかなって。私実は、子供が産めない体だから、空ちゃんは碧の子供だけど、私に取っても大切な息子って勝手に思っちゃってて、血の繋がり云々より心は繋がりたいって思ってるんだよね。口で言うのは簡単なんだけど、実際はなかなか難しいね。年頃の男の子は特にね』と
真悠さんは笑いながら話した
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