となり
私はハッとした
真悠さんがそんな風に
彼のことを思っていたなんて
正直驚いていた
彼が父親と真悠さんの元に
行くと聞いた時
彼の居場所があるのか
少し不安な気持ちもあった

真悠さんの言葉に
彼の居場所はここには
ちゃんとある-と
心から素直に
自分のことのように
嬉しく感じた

『そうだ、せっかくだし、空ちゃんの学校に行ってみたら?歩いて目の前の所だし』と
真悠が言うと
『いいんですか?』と
テーブルに用意された
お茶を含みながら
勢いよく答えた

『休み中は部活って言っても自主トレみたいなもんだって言ってたし、今日は日曜日だし、グランド走り込みしてる生徒も少ないんじゃないかな』と
真悠は答えると
私はニコニコしながら
ソファーを立ち上がる私に
『そんなに嬉しい?』と
真悠は意味深に笑い言った

私達は玄関に向かい外に出る

『この道を真っ直ぐ行ってあの、突き当たりを左に曲がると学校だから』と
道を指差しながら
真悠は説明する

『かなり近いんですね』

『そうだね。じゃあ気をつけてね…って言うほどの距離じゃないけど』と
意地悪そうに真悠は笑う

『じゃあ行ってきます』と
私は声をかけ歩きだした
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