となり
『何それ~泣かないし。子供扱いして~空太がいない間に大人になったんだから。今までの私とは違うんだからね』と
私は彼の手を振り払い
アッカンベーをすると
その場から走り出した

初めて彼の名前を口にした-
心臓がバクバクして
顔が赤くなっているのが
自分でも分かった
彼に恋してる
気持ちは変わらない
私の隣に彼がいなくても
私は彼が好きだと
改めて感じる瞬間

私は彼に気付かれないように
必死で走っていた

彼は私を追いかけ
そして私の手を強く掴む

『そんなこと言うなよ』と
さっきまでの笑顔が消え
真剣な顔つきで彼は呟く

私は彼の顔を見て
ぷぷっと吹き出しながら
『何、真面目な顔になってんの?そんなに私のこと大好きなの?』と
笑いながら言うと
私は再び走りだした

『ふざけんな』と
彼は少し安心したのか
変わらない笑顔を見せ
再び私を追いかけた
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