となり

『空太～』と
男の子が後ろから彼に抱きつく

『うわっ、達也。離れろ』と
彼はその男の子を
払いながら親しそうにしていた

『空太、もしかして彼女？あの噂の彼女？』と
その男の子は私の顔を
チラッと見て騒いでいた

『うるせ～達也。あっち行けよ』と
彼は男の子を邪険にすると

『初めまして、俺、空太と同じクラスの沢井達也です。部活も一緒なんで空太とは仲良くさせてもらってます』と
彼の横から顔をだし
私に挨拶をすると

私はクスっと笑い
『初めまして。七瀬もえです』と
挨拶を仕返しすと
達也は私に握手を求めた
私は達也の手を握る

『おいっ、何勝手に自己紹介してるんだよ』と
彼は達也と私の
手を引きちぎると
達也は軽く笑い
グランドを走り出した

『達也のことは、ほっといていいから。俺も少し走って来るから、もえ先帰るか？』と
彼の言葉に首を横に振り
『待ってるよ。走ってるとこ見たいし』と
私は彼の背中を押した

『走ってる姿見て惚れるなよ』と
彼はクスっと笑い
『ば～か～』と
私は舌を出しながら叫ぶと
彼はマネージャーの元へ
走り去っていった