となり
私は彼の邪魔にならないように
グランドの端に座り彼を見ていた

そんな私を
タイムを測りながら
不機嫌そうに
マネージャーの子は
私をずっと見ているのに
私は気付きながらも
゛彼女は私゛と
彼女に見せつけるように
堂々とした態度をしていたが
胸の鼓動はドキドキと
高鳴っているのがわかった

彼は時間を忘れるように走り
いつの間にかに辺りは暗くなり
少し肌寒くなり始めた

『最後一本』と
彼の掛け声で
マネージャーは手を挙げると
彼は勢いよく走った
私は彼の走る姿を
瞬きせず見ていた

彼は走り終わると
私に手を振り
『着替えてくるから』と
声をかけると
部室へと走り去る

私は校門の前まで歩き
そして暗くなった空を見つめた

『もえちゃん』と
呼ばれ私は振り返ると
そこには達也の姿があった

『えっと、確か沢井君だよね?』と
私は確認すると
『達也でいいよ。あれ、空太は?』と
達也は辺りを見渡す
『着替えてくるって部室に行ったよ』と私は答えた
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