となり
『もえ、お待たせ。達也と何話てたんだ?』と
彼は少し不機嫌そうに言うと
私に上着をかけ
そして手を握った

『別に~』と私は答えると
彼の手を握り返し
彼の小幅に合わせ
ゆっくりと歩き出す

『だけど、今日はどうしたんだ?こっち来るなんて、何も言ってなかったじゃんか。それとも、何かあったのか?』

『本当に忘れてるんだね。それより空太、体調大丈夫なの?毎日遅くまで走ってて、体に異変とかない?大事な時だってわかるけど、無理して何かあったら大変だよ』と
私は立ち止まった
彼は不安な顔をし私を見る

『大丈夫だよ。って、体調のこととか言えって真悠さんに言われたのか?それで、わざわざ急に来たわけ?そんなことより、俺はもえの体調の方が心配だよ。この間も倒れたって言ってたし大丈夫なのか?』と
彼は再び私を引き歩きだした

『私はいいの。空太は大事な時だから、きちんと病院で検査もしてきなよ』と
私の言葉に彼は渋々頷き
いつもと変わらない
笑顔を見せるとそれ以上
私は何も言えなくなった

そして家の玄関を開け
『ただいま』と
先に彼が中に入る
『お帰り』と
私達に気付きリビングから
真悠さんが走ってきた
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