となり
第4章 ~涙~
学校生活にもだいぶ慣れ
クラスも段々まとまりを見せ
私は部活も希望していた
吹奏楽部に入り
毎日が充実していた

桜の花びらもいつの間にかに
緑の葉に変わり
春の終わりを告げている

『おっす』とアクビをしながら
私の隣の席に座った
あの日…入学式の日に
桜の木の下で出会った彼だ

彼の名は¨瑞木空太¨
入学式を桜の木の上でさぼり
度々学校も寝坊しては
先生に注意されている
そんな彼はよく目立つせいか
クラスによく馴染んで
回りは常に友達が集まっていた

見た目は背が高く少し筋肉質で
ちょっとこんがりと
日焼けをしている
髪はいつも寝癖がついていて
よくアクビをしながら
退屈そうに授業を受けているが
運動が好きなのか
何故か体育の授業だけは
輝いて見えたりもするくらい
目立っていたせいか
女子の中で彼は評判が良かった

授業が始まりそれまで
生徒の声で溢れていた教室は
黒板に字を書く音と
先生の声に変わる

私の席は窓際の一度後ろ
太陽の光が眩しく当たり
ノートにまで光が照している

今日はグランドでは
生徒がサッカーをしていた
何処かのクラスが
体育の時間なんだろう
< 19 / 411 >

この作品をシェア

pagetop