となり
『真悠さん、こんな感じでいいですか?』と
私はプレートを紙にのせ
真悠に見せると

『うわっ、上手い上手い』と
手を叩きながら真悠は
笑いながら答えると
すでに出来上がっていた
ケーキの真ん中にプレートを置き
エプロンを外しながら

『よし、じゃあご飯にしようか』と
真悠の言葉に私は頷き
真悠はキッチンから
リビングに移動し
ソファーに座っていた
父親と彼に声をかけた
二人はゆっくり立ち上がると
テーブルに近寄る

『今日はすごいご馳走だな』と
父親の言葉に
彼は不思議そうな顔で
『うん、すごい』と
テーブルに用意された
料理を見て驚いていた

『じゃあ、今日は1日早いけど、空ちゃんの誕生日会をしたいと思います』と
真悠は拍手をし出した

『えっ?俺?』と
予想通りに自分の
誕生日を忘れていた彼は
ビックリした顔と同時に
照れ臭そうに顔を
真っ赤にさせた

真悠は部屋の電気を消し
HappyBirthdayの
歌を歌いながら
ロウソクの火がついた
ケーキを彼の前に置く
『お誕生日おめでとう』と
私が彼に言うと真悠と父親も
『おめでとう』と
声を合わせて言うと
彼は『ありがとう』と
ゆっくりとロウソクの
火を吹き消した
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