となり
『はぁ~俺もサッカーして~な~』と
彼もまた外を見ながら
シャーペンをクルクルと
回しながら小さく呟いた
私はそんな退屈そうな
彼の顔を見てプッと笑い
『スポーツバ~カ!!』と
小声で呟くと…
彼は少し口を尖らせ
ムッとした顔をし子供みたいに
アッカンベーをする
私はそんな彼の顔を見て
プッと吹き出るのを
我慢しつつ笑った

『瑞木君…よそ見しないの』と
先生が手を叩きながら
注意をすると教室からは
生徒の笑い声が溢れた
私はみんなに合わせ笑いながら
また『バ~カ』と言い返すと
『お、俺だけかよ』と
彼は椅子から立ち上がり
頭をかきながら笑った
男の子と話すのが
苦手だったことと
人見知りだった性格上
小学校時代はあまり男の子と
つるむと言うことはなく
クラスでもそんなに目立つ
生徒ではなかった

中学になって始めてクラスが
一緒になり仲良くなった
梨沙子の影響か
男の子と話す機会も増え
今では少し普通に
話せるようになっていた
特に彼とは席が隣で
入学式の出会いが
印象的だったのか
よく話をするようになり
気を使わないで素でいられた
そして…
この隣の席がなぜか
居心地がよく感じた
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