となり
リビングの扉を開くと
洗面所から出てきた
直人に出くわした

『おっ、早いね。ゆっくり話せなかったけど、またいつでも遊びにおいで』と
直人の言葉に私は
『はい、ありがとうございます』と
軽く会釈し階段を上がる

そして私は自分が寝ていた
部屋に戻らずに
彼の部屋の扉を開けると
恐る恐る中に入った
まだ彼の部屋は
カーテンが閉まって薄暗く
私は千鳥足で前に進むと
ベッドに横になっている
彼の姿を見つけると
私はそっと布団をめくり
彼のとなりに横になった

布団の中は彼の体温で
とても温かく
あまり寝れなかった
私は安心したのか
その体温で眠りに落ちて行く

そしてどのくらい眠っていたのか
私は目を覚ますと
彼がニコニコしながら
私の顔を見つめていた

『ん?いつ起きたの?人の寝顔見て、ニヤニヤして気持ち悪い』と
私は布団を顔まで被った

『気持ち悪いって…人の布団に勝手に入ってきて、何言ってんだよ』と
彼は私から布団を
剥ぎ取りながら
私の体をくすぐった

昨日は彼が隣にいるのに
何故か遠く感じて
嫌な胸騒ぎで
不安な気持ちだったのに
そこには変わらない
いつもの彼の姿に
私は安心していた
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