となり
自転車を走らせ
どの位たったのか
小さな建物の前で
彼は自転車を止めた

『着いたぞ』と
彼の言葉で私は
自転車から下りると
彼は自転車を端に止め
私の荷物を持ち
反対の手で私の
手を握り歩きだす

『空太?ここ何処?』と
私の問いかけに
彼は何も言わずに
ニコニコしながら
私の手を引きひたすら歩く

その建物の入り口付近に近づくと
図書館・公民館・星館・児童館など
ホワイトボードに書かれていた

彼と私は中に入ると
彼は手慣れている様子で
『中学生2枚』と
受け付けの人に言うと
係の人に500円を差し出した

『おはよう。今日獅子座流星群だよ』と
受け付けのおじさんは彼に言うと
小さいチケット手渡した
彼はおじさんに軽く会釈し
そして再び歩き出す

私は意味もわからずに
彼の後をひたすら歩き
建物の中をキョロキョロと見渡す

『ここだよ』と
彼は声をかけ扉を開けると
中は薄暗くそして椅子が
円状に並べてある
私は何も言わずに
彼が座った横に座り辺りを
見渡すと人が何人か
パラパラと座っている
『何か始まるの?』と
私の問いかけに彼は
『シィー』と
私の唇に指をあて
『いいから』と
意味深な笑いをした
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