となり
星をどのくらい見ていたのか
ホールに流れていた
星の話が終わると
ホールの中が徐々に
明るくなり始め
一面に広がっていた
星が消えて行った

『今日もありがとうございました』と
アナウンスが流れると
一斉に見ていた人達が
背を伸ばしながら椅子を立ち
ホールを出て行く

『ん~っ』と私も椅子に座りながら
背を伸ばすと
その隣で彼は笑っていた

『何?』と私は問いかけると
『腹出てるぞ』と
再び笑いながら彼は歩き出した

『ひどい~』と
私は彼を追いかけながらホールを出ると
急に彼はロビーの前で止まると
『ちょっと待ってて』と
彼は売店に行き飲み物と
何かを買っているようだった

『何、買ったの?』と
私は問いかけると
『はい』と飲み物を手渡すと
彼は私の手を握り歩き出す
そして星の話をし始めた

私は特に星が好きと言うほど
興味はなかったけれど
彼のお気に入りの
このプラネタリウムに来て
二人で星を見たことは
とても嬉しくて
とても幸せな時間だった
< 205 / 411 >

この作品をシェア

pagetop