となり
学校に近づき
私は自転車を下り歩くと
チラチラと新しい制服を着た
新一年生らしい生徒の姿がある
校門には先生が大きな声で
『おはよう』と
挨拶をしているのが見える
私は初めてこの学校に
通った日のことを思いだし
クスッと笑いが溢れた

校門を過ぎると玄関には
この時期恒例の
人ゴミの列が連なっている
クラス表の張り出しだ

自転車を置くと
私も人だかりに混ざり
自分の名前を確認すると
後ろから梨沙子が声をかけた

『おはよう。もうクラス見つけた?』と
梨沙子は背伸びしながら
クラス表の紙を必死で見ていた

『まだ今、来たとこ。何組かわかんないけど、また梨沙子と同じクラスになってるといいね』と
私も背伸びをしながら必死で
自分の名前を探すと

『あった』と
二人同時に声を出し
顔を見合せ笑った

『また、同じだね』と
梨沙子と私は
声を合わせて言うと
また再び笑い合った

『もえ、また同じクラスってことは、席もまた前後ろかな?』と
梨沙子は私の腕に
手を回しながら
玄関で靴を履き替え
私達は教室に向かう

『そうだといいね。だけど、三年間同じクラスになんてすごいね』と
私は少しハシャぎなから言うと
梨紗子も頷いた
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