となり
だけどその声が
誰の声かわからないのに
その声が何だか愛しくて
私は導かれるように
暗闇に戻ろうとするが
結局私は彼を選んでしまうと
目の前に見えていた
暗闇の世界が消え
光の世界一色になると
彼は私に最後はいつも
何かをいいかけようとするが
そこで夢は途切れ終わる―

この夢は彼と結ばれた夜から
見るようになった
始めの頃は目覚めると
夢を見たと感じるが
内容自体は覚えてなかった

だが最近では目覚めた後も
夢の記憶がはっきりと
鮮明に残るようになっていた
そしていつも段々と
内容の続きが見れる様になるが
決まって最後は
彼が私に何かを言おうとして
その言葉がわからないまま
目が覚めてしまう
その繰り返しだった

そして私はまたいつもの
夢の途中で目を覚ますと
そこには心配そうに
私の顔を見つめている
梨沙子の姿があった
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