となり
『もえ、大丈夫?』と
目覚めた私に問いかけると
私は体をゆっくり起こした

『うん、大丈夫。いつからいてくれたの?式もう終わったの?』と
言うと梨沙子は
『まだ今、入学式途中だよ。心配だったから抜けて来ちゃった。吹奏楽部の人、もえのこと心配してたよ。式典で演奏する予定だったんでしょ?』と
梨沙子の言葉に
私はハッと息を飲んだ

『あっ、そうだ。入学式は、入場曲の演奏するんだった。みんなに迷惑かけちゃったな。沢山練習したのに、大丈夫だったかな』と
私は呟くと梨沙子は
目の前の窓を開けた
『ふ~ぅ、風が気持ちいい~』と
梨沙子は手を伸ばしながら
気持ちよさそうに笑う
私はベッドから窓の外を見ながら
『うん』と
呟き軽く目を閉じる

『もえ、病院…やっぱり…行ったほうがいいんじゃない?だいぶ前から、立ちくらみとか言って、倒れたりしてるじゃん。一度きちんと調べたほうがいいと思うな』と
梨沙子が少し真面目な
顔つきをしながら言う
私は心配させないように
『うん』と小さく呟いた
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