となり
そして重い足取りで自転車こぎ
私はやっとの思いで家に帰る

『ただいま』と
玄関を開け中に入る
私は今にも倒れそうな体を
必死で抑えながら
部屋に向かおうと
階段に足をかけようとすると
私の帰りを待っていたかのように
母親がリビングから
足早に走ってくる

『お帰り。もえ、また倒れたって学校から連絡あったわよ。だから病院に行こうって言ったでしょ』と
帰ったばかりの私の手を引き
母親はすぐさま家を出ると
私を車に勢いよく乗せた

『えっ、何処行くの?』と
私の問いかけに母親は
『病院に決まってるでしょ。疲れてるからって、立ちくらみで何度も倒れるわけないでしょ。だから、こうなる前にちゃんと休み中に、病院に行けって言ってたのに、部活だの何だのって、理由つけては病院行かないから、学校で倒れるのよ。何かあったらどうするのよ』と
あまり普段怒らない母親は
少し息を切らせながら
いつになく真剣に言うと
母親は車を急いで走らせた
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