となり

第17章 ～命～

『ここで待ってて』と
母親は受け付けを済ませに行く
私の鼓動はドキドキと高くなる

『行くわよ』と
母親は再び私の手を掴み
内科の病室の前で腰を下ろした

ロビーの中は平日のせいか
順番待ちの人が沢山いた

『今は吐き気とか平気？』と
母親が私に聞くと
『うん、大丈夫』と
少し小さな声で呟き
そして私は静かに席を立つ

『どうしたの？』と
母親に聞かれ
私は必死で抑えてた
吐き気と体の震えを
母親に気付かれない様に
『トイレに行ってくる』と
誤魔化し私は小走りで向かう

トイレに行くと
人がいないのを確認し
私は必死で抑えてた
吐き気を洗面所で
一気に解放した

吐き気が強くても
嘔吐するほどではない
だけどいつもこの吐き気は
体の力がなくなるほど
強くて死ぬ思いだった

私はその場にしゃがみ込み
ゆっくり息を整えた
そしてゆっくり立ち上がり
自分の顔を鏡で見るとすごく
具合悪い顔をしていた

私は必死で笑顔を作ると
急いで母親の元へ戻った