となり
そんな母親に
今度は娘の私が
涙を流させてしまっている
私は何だか心苦しかった

その日の夜は言うまでもなく
父親が帰るなり
家族でリビングに
集まって話をすることになった

『お母さんは、反対だからね。まだ中学生なのよ、妊娠しただけでも問題なことなのに。親になるなんて出来るわけないでしょ。付き合いまでは、反対したりはしないけど、もっと責任を持ちなさい。まだこれから大人になったら、いくらでも子供産むことなんて、普通にできるんだから、今回は諦めてちょうだい』と
母親は一方的に
私に言葉を投げつけた
私はずっと下を向いたまま
何も言わなかった

『もえ、父さんも母さんと同じ気持ちだ。父さんも付き合いまでは、反対しないが、まだ中学生なんだ、もう少し自分に責任を持ちなさい。今年は受験だってあるんだ、高校を出て、社会に出てそれからでも、遅くないだろう』と
父親も母親と同じ言葉をはく

私は二人の言葉が
トゲのように心に刺さる
私には味方がいない…と
次第に溢れて止まらないほど
涙を流していた
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