となり
『じゃあ一本』と
彼の声に菜穂子は手を挙げ
彼は勢いよく走り出すと
いつもより足が軽く感じて
とてもは調子が良かった

何度も何度も走り
気が付くと辺りが
暗くなっているのに気づくと

『空太君、もう上がろう。明日はどうする?いつも通りの時間で大丈夫?』と
菜穂子は彼に問いかけると
彼は軽く頷きながら
『いつも悪いな。俺は早めに来るけど、ゆっくり目でいいから』と
彼の言葉に菜穂子は
ニコニコしながら軽く頷いた

『空太~上がり?じゃあ一緒に帰ろうぜ』と
達也が彼に声をかけると
彼は達也の方に手を挙げ
『じゃあお疲れ様』と
菜穂子に言うと達也の方に
走り出そうとした瞬間
2歩目の足が縺れ
その場に倒れこんだ

『おい、またか?走り過ぎで疲れてんじゃないのか?大丈夫かよ?』と
達也は彼に近づくと
彼に手を差し出し起こした

さっきまで普通だった
自分の足が今は
自分の足じゃない感覚―
それはまるで重くて
まるで人形の足の様に
感覚さえもない違和感に
彼は足を擦りながら
少し不安な気持ちになった
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