となり
『悪い、大丈夫だよ』と
自分の足をポンポンと叩きながら
彼は平気な顔をした
そんな彼の姿に
達也は何かを察したのか
少し不安げな顔をし
彼を見つめていた

二人は着替えを済ませ
部室を出ると
達也は自転車通学だったため
彼は校門に一足先に向かい
達也は自転車を取りに行く

『お待た~』と
達也は自転車に股がり言うと
彼は達也の自転車の後ろに
乗り込むと達也は彼を乗せ
勢いよく自転車をこぎだした

学校から彼の家まではすぐの距離
別に何を話す訳でもないが
二人は決まってこうして帰宅している

彼の家の前で自転車を止めると
『じゃあな』と
達也は彼に声をかけ
自転車を再び走り出した

彼も達也に向かって
『じゃあな。また明日』と
言うと軽くその場で
足をポンポンと叩き
玄関を開け家の中に入った

『ただいま』と
彼の声を聞くなり中から真悠が
『お帰り』と
声をかけ彼はリビングに入る
晩御飯のいい香りがした
< 238 / 411 >

この作品をシェア

pagetop