となり
『何か知らないけど、最近よくコケるだ。急に足が縺れたり、今まで何ともなかった足が、突然自分の足じゃないくらいに重くなって動かなくなったり、だけど別に痛みとかはないから、心配いらないと思うけど』と
彼の言葉に父親は彼の足に触れた

『空太、痛い痛くないの問題じゃなく、一度医者に見せに行きなさい。今が一番大事な時だ、何かあってからじゃ遅いんだぞ』と
父親の言葉に彼は軽く頷くと
『わかった、近いうちにね。今は記録会近いし、それどころじゃないからさ』と
彼は言葉を吐くと
笑いながらリビングを出て
自分の部屋に向かった

翌日いつものように目を覚まし
布団からすばやく出ると
カーテンをゆっくり開けた

そしてよく見ると
何故かパンパンに足が張っていた
彼はその場で軽く屈伸をしながら
足を擦ってみる…
痛みはなかった
彼は安心しながら
頭の中で記録会の
選手になることを考えていた

だけどその足の張りは
予期せぬ出来事の
前触れだったことに
この時の彼は気づかなかった

朝ご飯を済ませて
いつもの時間に
家を出て歩き出す

彼は学校へ向かう道
いつも携帯を見て
そしてもえにメールを送信するのが
日課になっていた
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