となり
時間はあっという間に経ち
ついに記録会前日―
今日は短距離の代表を決める日

グランドでは短距離の選手四人が
少しピリピリして
自分の番を待っていた
彼もやれることは
全て頑張ってきたと
自信に満ち溢れていた
そして最近はずっと足も
とても調子が良くて
足に違和感があったことなんて
忘れてしまうくらいだった

彼はいつでも走り出せる
準備をしながら体を動かし
軽く走り込みをしていると

『よし、佐藤と高橋位置につけ』と
先生が声をかけた
既に彼の前に短距離の
二名がタイムを計り終え
代表が一人決まった後だった
最後の代表の枠は自分か高橋か…
彼の胸の鼓動は早くなった

そして…
『じゃあ、いくぞ。位置に着いて、よーいスタート』と
先生は手を叩くと
二人は一斉に走り出す
走り慣れたコースを
いつもの様に走る
毎日走っていたせいか
息もあがらない

彼は最後のコースまで来て
自分が決まると確信を持った
次の瞬間に思いもよらない事が…
最後のカーブで
彼はスリップし
彼はその場に倒れこんだ
< 242 / 411 >

この作品をシェア

pagetop