となり
医師は息を整えカルテを開くと
ゆっくり口を開いた

『えー、今日親御さんに来て頂いたのは、先日調べさせて頂いた息子さんの検査の結果が出たからなんですが、まずは息子さんより先にご両親にの方に、お話しておいたほうがよろしいかと思いまして、連絡致しました。始めに、こちらのレントゲン写真ですが、こちらは息子さんの脳の断片を撮影した物です。この辺りに、大きな影があるのが、お分かりでしょうか?この影は、脳の神経を圧迫しているシコリみたいなものでして、このシコリは段々大きくなっていき、やがて脳細胞の機能を破壊してしまうものです』と
医師の言葉に二人は
難しい顔をしながら生唾を飲む

二人の様子をよそに
『とても言いづらいことですが、息子さんは、脊髄小脳変性症と言う病気にかかっています』と
医師の再びの言葉に

『脊髄…?!脊髄小脳変性症?それは一体どういうことですか?』と
父親は医師の言葉を蹴散らすように
息を荒くしながら問いかけると
真悠が横から
『それは、治るんですよね?また、空ちゃんは、走ることが出来るんですよね?』と
医師に問いかけると
医師の顔は曇り始めた
そして二人はますます
不安な気持ちになる
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