となり
『碧…このままだと、空ちゃん、どんどん駄目になっちゃうよ。どうすればいいのかな。何で…空ちゃんまで、病気に悩まされないといけないの?私は、空ちゃんのために、何も出来ないのかな?碧…まだ空ちゃんを連れて行かないで。空ちゃんを守って』と
真悠は必死な思いで
碧の写真に願っていた

一方私はベッドに潜り
泣いたまま気が付くと
いつしか深い眠りに堕ちていた



そこは暗くて
光さえもない世界

私はなぜか一人で
その場所に立っている
そして遠くのほうから
私の名前を呼んでいる声がし
私は暗闇の中を
必死で歩いて行くと
やがてそこには光満ちた
世界が見えてくる

私は足を踏み入れる
そこには彼が
笑って立っている
私は彼に近づくと
彼は悲しい顔で
私から離れて行く
そして私は彼を追いかけると

彼は決まって私に
『ここには来ちゃいけない。もえ、帰るんだ。もえは、ちゃんと幸せにならないとダメだよ。さぁ、あっちに行くんだ』と
彼は暗闇の世界を指差し
私の背中を押すが
私は彼のそばから
離れようとしないと
闇の世界が次第に消え
光の世界が広がっていく
彼は少し寂しい顔をし
私の手を強く握る
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