となり

第５章 ～すれ違い～

夏の始まりに近づくと
初めての衣替えをし
夏休みはもう目前だった
あっという間に季節が過ぎ
時間は流れて行く

そしてクラスも段々と
夏休みの話題に変わり
ザワザワしていた…

だけど私は休みが近づくにつれ
初めての大会のことで
毎日落ち着かない気持ちだった
今年は何故か先輩達の
意気込みがすごく
賞を何がなんでも取ろうと
練習量も半端ないくらいだった

そして私に取って中学
初めてのコンクールであり
クラリネットを見るたびに
私の胸は高鳴り手が震える

部員ではクラリネットの担当は
私だけだったせいか
失敗をすれば音が乱れ
いつも人一倍に練習をした

少しでも時間があると
私は楽譜を見つめては
指が自然に動いているほどに
毎日音楽漬けだったが
別に苦には感じなかった

『今、吹奏楽部って、すごい練習してるよね。そんなに大変なの？』と
梨沙子が声をかけると
私は初めての大会で
ワクワクしている気持ちを
伝えながら楽譜を片手に
笑顔で私は話す

『もえは本当、音楽好きだよね。私から見たら、楽譜なんておたまじゃくしの集まりだし。それだけ練習してたら、本番大丈夫だよ。初めての大会、賞取れるといいね』と
梨沙子は私の肩を叩いた