となり
『うん…うん、お…父さ…ん…ありが…とう…ごめ…んね』と
涙を流しながら
言葉にならない声で言うと
助手席に座っていた
母親も涙目になっていた

そして私達は久し振りに
三人でお昼を食べた
そこは普通にいつも行く
ファミレスでの食事…
だけど何だか私には特別に感じ
少し幸せで温かく感じた

そして食事を終えると
近所のデパートに寄り
三人でたわいもない
会話をしながら買い物をする
久し振りに感じた
゛家族゛の温もりだった

家に着くと病院には三日しか
入院していなかったのに
何故か自分の家が懐かしく
だけど居心地がよく感じる

『お母さん、私お風呂入りたいんだけど』と
私の言葉に母親は
キッチンでエプロンをつけ
『今、支度するわね』と
答えるとお風呂に
お湯をはりはじめた
父親はソファーに座り
新聞を広げながら
タバコに火をつけた

私は自分の荷物を持ち
自分の部屋に戻った
部屋の中に入ると
入院していた間
母親が掃除してくれていたのか
部屋がとても綺麗に片されていた

そしてふと見ると
目の前の壁に制服が綺麗に
クリーニングされ
袋に入ったまま掛けてある

これから先―
あと何回この制服を
着られるのだろう?と
制服に手を当てた
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