となり
『あ~もうっ、うるさい…うるさい。ことある事に、碧…碧って母さんの名前出しやがって。結局、自分は綺麗事並べてるつもりでいるんだろうけど、母さんと俺から父さん奪って、母さんを傷つけたのは、誰なんだよ。そんな女に言われたくねぇし。俺の気持ちも、母さんの気持ちも、絶対に分かりっこないんだ。どうせ父さんと一緒になっても、結局は俺とは赤の他人なんだから。俺の何がわかるんだよ。何が好きなことしろだよ。そんなこと簡単に言うな』と
ベッドに置いてあった
枕を真悠に投げつけると
調度仕事から帰ってきた
直人が部屋に入ってくる

『空太、お前そんな風に思ってたのか?赤の他人って、真悠は碧の分まで自分の息子のように思って、空太のこと大切に考えてきたんだぞ。真悠に、謝らないか』と
直人が怒鳴ると彼は父親を睨み
『父さんも、今まで俺と母さんを、ほっといたくせして、今更偉そうなこと言うな。何なんだよ~、代われるものなら代わってやる?できもしないこと簡単に口にして、いいからもうほっといてくれ。二人共、出ていけ』と
部屋から二人を追い出すと
彼は部屋の電気を消し
また布団に潜りこんだ
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