となり
『まだ朝の4時だぞ。トイレとかお風呂じゃないのか?』と
直人の言葉で真悠は足早に
お風呂場へと向かう
だが彼の姿はない―
次にトイレに向かおうとした時
トイレの扉が少し開いていた
真悠は少し嫌な気持ちが過り
『空ちゃん…いるの?』と
小声で囁きながら
ゆっくりトイレの扉を開けた

そこには彼が便器に持たれながら
床にしゃがみ込み
倒れ込んでいた

真悠は彼に飛び付き
体を大きく揺らしながら
『空ちゃん…空ちゃん。い…や…空ちゃん』と
何度も大きな声で叫びながら
真悠は必死で彼の
体を揺らしていると
真悠の叫びで驚いたのか
直人が急いで駆けつけた
そして彼から真悠を放しながら
『真悠、いいから救急車呼べ』と
直人の怒鳴り声が
耳に入っていないのか
真悠は彼から離れずに
何度も何度も彼の名前を叫ぶ
直人は真悠を彼から再び離し
頬を叩き大きい声で
『真悠、しっかりしろ。救急車、電話してこい』と
真悠は直人の言葉で
急いでリビングに向かうと
震える手を抑え救急車を呼んだ

直人は彼をトイレから出し
リビングのソファーに寝かせた
彼の意識はなく
体はすっかり冷えきっていた
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