となり
救急車が走り出すと
真悠は直ぐ様救急隊員に
彼が検査で掛かり付けになっている
病院名を告げると
救急車は急いで病院に向かう

まだ朝の早い時間にも関わらず
彼が処置室に運ばれると
彼を診察している
担当医が姿を現すと
彼と共に処置室に入る

処置室のランプがつくと
真悠は椅子に座り込む
朝一のせいか
人の姿は一人もなく
廊下がやたら長く感じ
真悠は急に体が震え始めた
そして手を合わせて
必死に彼の安否を願っていた―

運ばれて数分が経ち
処置室の扉が開くと
中から先生が出てくるのが見え
真悠は椅子から立ち上がる

『先生、空ちゃんは大丈夫なんですか?』と
真悠の問いかけに
先生はニコッと笑い
『大丈夫ですよ。何か精神的に大きな負担がかかったみたいですね。何か変わったことがありましたか?それと、昨日は何も食べていないんじゃないですか?胃の中が何もない状態で嘔吐を繰り返したせいか、喉がかなり荒れてましたから。しばらくは、点滴しながら様子を見て、入院して頂いたほうがいいですね』と
先生の言葉に真悠は頷き
処置室から出てきた彼を目にし
真悠はその場から足が動かなかった
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