となり
検査は1日続き
彼は疲れたのか夕食を済ますと
早めに休んでしまった

『検査はどうだったんだ?』と
会社から病院にかけつけた
直人が真悠に問いかけると
真悠は直人の腕を掴むと
足早に廊下に連れだした

『どうした?何かあったのか?』と
直人の問いかけに
真悠は少し曇った顔をし
『空ちゃん、病気の進行が、普通の人よりも早くて、このまま行くと1~2ヵ月位で歩くことが困難になるかもしれないって…。この先車椅子や寝たきりは必ず訪れることだから、厳しい状況になるのは覚悟しとけ…って。今は、少しでも進行を遅らすために、薬の量を増やしたりするみたいだけど、空ちゃんのためだし仕方ないよね?』と
真悠の言葉は胸に
ナイフを刺したくらい
直人に重くのしかかった

真悠は再び口を開き
『私ね、少しでもやれるうちは、空ちゃんに、自分の好きなことを、沢山させてあげたいし、して欲しいの。一番は、今まで頑張ってきた陸上…もう走れなくなるなら、走れるうちは走って欲しい。病気のせいで諦めて欲しくないよ。もえちゃんのことも、やっぱりこのままにしておけない。このまま何もしないで、この先一つづつ出来ないことが増えたら、空ちゃん今よりダメになっちゃう』と
真悠は涙を流し言う
< 297 / 411 >

この作品をシェア

pagetop