となり
家に帰宅すると
私は荷物を置きに部屋に行く
教科書や筆箱など鞄から出し
そして机にしまうと
最後に自分の制服姿を
鏡に映し一周小さく回る

『はぁ~、今日でこの制服ともおさらばか…』と
小さくため息をし呟くと
胸のリボンをゆっくり外すと
この制服を初めて着た
ドキドキした頃を思い出す

それは憧れの制服を着て
ずっと頑張って伸ばした
髪をポニーテールにするのが
小学生の頃に描いていた
密かな私の夢だった…

頑張って伸ばした髪も
今は気付いたら
腰近くまで伸びていた
私は制服を脱ぐと思いたったのか
急いでリビングに向かい
『お母さん』と
大きな声を出し叫ぶ
母親がビックリしながら
『何?そんな大きな声だして』と
キッチンから顔をだし答えた
『お母さん、髪の毛切ってくれる?』と
私の言葉に母親は
再び驚いた顔をして
『どうしたの急に?』と
答え私は何も言わずに
ベランダに出ると
母親はため息をつき
リビングの引き出しから
ハサミを取り出し新聞を手にした
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